There I Sense Something
There I Sense Something
There I sense something / Art Book
そこにある何か アートブック
プロダクトデザイナー寺内 ユミさんが自身のプロダクト、作品、伝統工芸の背景を風景写真家越谷 喜隆さんの美しい写真で紹介する作品集。
表紙には、控えめに作品集のタイトルとデザイナーの名前 "There l sense something Yumi T erauch"が白い文字で箔押しされている。和綴じからインスピレーションを得た厚さ3.5cm(A4変形サイズ)の存在感のある装丁。オブジェのような佇まい。
作品集の頁には説明書きがない。工芸品の技法、その作品が生まれた土地、作品名が頁の隅にひっそりと、記されている。解説は本書の帯裏に印刷してある。
写真を眺めながら、興味を引く風景、作品に出会ったら、本に巻かれた帯を開いて"解説"を読む。"解説"を読んでから、写真を眺めたり、どこから開いても楽しめる。紙のスペースを活用するサステナブルなグラフィックデザイン。
ポケット状の頁は開放した部分を上向きに束ねてある袋とじ式の特殊な製本。日本的な正包装やのし袋を閉じた時に上にむけてとじて、"福を集める"という風習に習った。
細部にまで意味合いを考える。無駄のないデザイン、妥協せずに突き詰めたプロダクトデザイナーのこだわりを感じます。
寺内ユミさんの「文字もなく、旅するように写真を眺める、アートのような 本が作りたい」その想いから始まった作品集。
フォトグラファー越谷喜隆さんと共に 3000 キロ以上を巡り撮影し、作品集に掲載したオリジナル写真から手仕事の魅力をぜひ、手に取り、触れて、感じてください。
"There I sense something" 序文から
「私はものづくりを通して、その本質に触れ、知ることができた時、なんとも言えない深い感動を覚える。その感動に突 き動かされて、今、私たちが必要としている感覚を投影しながら、これから先も美しく在り続けることを願って作品を生み出し続けている。そして伝統や風習を尊重しながらも、それにとらわれずに、本質 - そこにある何か- を捉えることを大切にしている」
寺内 ユミ プロダクトデザイナー
製作
企画:寺内 ユミ
プロジェクト編集:松浦 麻沙子
写真:越谷 喜隆
ブックデザイン:宮添 浩司
英語翻訳:ココ マスダ
印刷・製本:株式会社八紘美術