Breath 1

安井 ちさと / Chisato Yasui

絵画　制作年

ワトソン紙に水彩絵の具・アクリルガッシュ

額装サイズ： 77.8×55.8 × 2.4cm

作品について

Breath シリーズ 「Breath」 大きな意味としては、「一呼吸」「一息」 他にも 「兆し,しるし」、「漂ってくる空気」、「ささやき、静かな話し声」、「生命力」 という意味合いが。 実際、この作品は、 巡りよく代謝するように、色が現れては移り、滲んでは流れ、くるくると景色がめぐり、 そんな流れの一瞬を切り取るように、両の掌で掬い取るようにして生まれたのでした。 わたしと絵具の対話。その関係性の中にふと現れたものです。ただ素朴に、「ああ、なんてき れいなのだろう」と感じた色彩や絵具の表情を其処にとどめました。 作品の前に立つ人によって、このストライブの向こうに見える景色はきっと違うだろうと思い ます。ただそこに見える（自分の内側に照射されるような）その景色に、耳を澄ませるように 観ていただけたら。 日々の暮らしのなか、一息つくきっかけになるような… その一呼吸がその日の自分との静かな対話を生んだり… 次の日につながる活力の源になったり… 前向きになれる「兆し」になったり。 この作品の息遣いが観る人にとってそんなきっかけになるといいなと思っています。

作家について

１９８４年愛知県名古屋市生まれ。現在茨城県結城市の自宅に併設された工房で制作をしてい る。 幼いころから絵を描くことや、現実の世界を手掛かりに空想の物語をつくるのが好きだった。 高校は愛知県立旭丘高校美術科、油画で卒業。大学は筑波大学芸術専門学群へ進学。そのまま 油画を専攻するつもりだったが、大学 2 年次に陶芸に出会い、専攻を油画から陶芸に変える。 ２０１０年、筑波大学大学院芸術専攻デザイン領域、工芸・陶磁を修了。 縄文時代から続くとされる陶芸の伝統的な技法、「紐づくり」を制作手法としつつ、型にとら われることのない伸びやかな作品をつくることに定評がある。 ２０１５年に SILVER SHELL で初個展「カワヲ辿ル」開催後、本格的に作家として活動を始 める。国内のギャラリーなどでの個展開催、グループ展に参加に加え、２０１８年からは国外 での活動も活発に行い、グループ展参加のほか、陶芸や現代アートのコンペティションに多数 入選、入賞している。 ２０２３年は台湾、富貴三義・鶯歌美術館でのグループ展、スイスの AIFA での二人展に参 加。またイタリアで開催された、The 30th Grottaglie Contemporary Ceramic Competition Prize では Honorable Mention Prize を受賞。2023年10月にポルトガルで開催される XVI Averiro’s Ceramic Biennale では９月に SMP Galley で展示されている“Profile”シリーズの別作品 2 点が展 示予定